我が家のご近所には、お年寄りがいっぱい住んでいらっしゃいます。
ここの住宅街ができたのがかれこれ45年ほど前だと聞いています。だから、初期の頃から住んでる方々は、80代になっておられるのです。
とてもお元気でお仕事をしている方もいらっしゃれば、庭仕事に精をだす方もちらほら。
そんな中、認知症が進む方も出てきました。私がこの住宅街に引っ越してきた6年前くらいまではみられなかった現象です。
会えば会話する方の中で3~4人は、もう私のことを誰だかわからなくなっています。
だけどお会いすると私の方から挨拶しますので、そうすると皆さん「あれ?この人、もしかしたら知ってる人かも?でもわかんない?」という微妙な表情をされます。
<<移転しました>>
道端のおしゃべりはいつも同じ
それで、道でお会いすると少しお話をするのですが、毎回同じ人と同じ会話が繰りひろげられます。
ある女性は、弦楽四重奏の話題。コンサートをしながら女性の仲間たちと色々なところを巡るお話です。大好きなバイオリンを奏でながら楽しそうに活動している様子が目に浮かぶようです。
ある男性は、近所に住む野生動物たちの物語を語ってくださいます。カラスのカー助、鷹のター坊、猫の茶太郎とシマ子、タヌキのポン太、それぞれのキャラクターが際立っています。彼らが庭にきて交流することになった経緯をストーリー仕立てで語ります。
また別の女性は、ご主人様のお話。実際には亡くなって10年たっていますが、今まさにお家にご主人様がいらっしゃるかの様にありありとお話してくださいます。仲が良い様子、相手を思いやる気持ち、などが伝わってきて聞いていると笑顔になります。
ポジティブな気持ちになれる会話
ご近所さんで認知症が進んできた方々と、この様に毎回同じ会話をしています。
でも、どの話も聞いていて心地よいものです。本人が楽しくお話してるから、というのもあるでしょう。
それから、同じ話の中に含まれるメッセージがポジティブなのです。
「好きなことを続けることの喜び」
「一人一人は素晴らしい」
「コミュニケーションは愛を紡ぐ」
こんなメッセージを毎回受け取ります。だから会話したあと気分が明るくなります。
私のことを覚えてる人であってもネガティブパワー炸裂な会話なら、私のことを誰かわからない人との気持ち良い会話の方がずっと楽しいです。
後世に伝えたいことは何か?
ご近所の認知症がすすんできた方々とお話ししていて気づかされたことがあります。
それは、人はこれまで生きてきた中でもっとも大切だなと思っている「たった1つのメッセージ」を持っているのだな、ということ。
・感謝すること
・喜びのある人生
・他者を敬う
・人生はストーリ創り
ご近所さんという狭い範囲の中でも、これだけ多様なメッセージをもらってきました。ありがたいことです。
そして、それと同時に「私自身はどんなメッセージを語り続けるのだろう...?」と、考える様になりました。
是非ともポジティブなものにしたいです。
いっつも怒っているお爺さんとか、文句しか言わないお婆さんとか、そんな風にはなりません様に....
もしも私が認知症になって知らない人から介護される身になったとしたら、その時に語ることは、相手の心にポジティブな火を灯す様なメッセージが込められたお話しをしたい。
そんな人になれるかな!?すでにこんな歳だけど、これからも心を成長させていけたらと思います。
あなたはどんな「たった1つのメッセージ」を語る人になりたいですか!?
🔸この記事は[大道ブログ]に引っ越しました🔸