犬を連れてお散歩していると、知らない人が話しかけてきてくれたり、顔見知りができて挨拶を交わしたり、いろんな人とのコミュニケーションがなされます。
老犬の年齢になってくると、その対話の内容もまた違ったものになってきます。
皆さん、やさしい気持ちで言葉をかけてくれるのです。
それは間違えありません。そのことはちゃんとわかります。
ですが、愛犬が15歳ともなると、「な、なぜ今それを言う!?」と頭の中で叫びそうになったり、泣きそうな気持ちになったり、そんな言葉がけをいただくことが、非常に多くなってくるのです。
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老犬と暮らしていて、言われた地雷コトバ
【その①】
「かわいいですね〜、何歳ですか?」
「15歳なんですよ」
「あぁ.... うちも昔犬を飼っていてね、15歳で亡くなりましたよ。」
「...... 」
【その②】
ピンポーン
「はーい」(犬も一緒に宅配業者さんを出迎える)
「お、元気だね〜。何歳ですか?」(なでなで)
「15歳なんですよ」
「△△地区も回ってるんですけどね、あの地区はワンちゃん飼ってるお宅が多くてね、なんだかね〜、今年は次々と死んでるんですよ。」
「...... 」
【その③】
「今夜の約束キャンセルさせて、ちょっと犬が食欲なくて」
「うちの実家の犬も先月亡くなったんですよ。死に目に会えないってのは辛いよね、帰宅して一緒にいてあげてください。」
「...... 」
悪意はないのはわかるけれど
コミュニケーションというものは、言葉だけで成り立っているものではないですよね。
声のトーン、目の動き、顔全体の表情、身振り手振り、などからも伝わってくるものがあります。
なので、 地雷コトバをいただいても、怒りが湧いてきたりすることはまずありません。
悪意がないことは、ちゃんとちゃんとわかります。
これらの対話がなされているとき、目の前にいるうちの犬は毛並みも良く元気。
それでも、年齢を聞いて老犬だとわかると、どうしても『死』を連想してしまう様です。
無意識から湧き上がってくるかのごとく、思い浮かんでくる感じなのでしょうか。
そして、連想したことがそのまま口をついて出てくるのでしょう。
これは、『人の話に、自分の話を被せてくる』人についての過去記事に書いたこととも、関連がありそうです。
キーワードは『共感』。
「もうすぐ愛犬を失うんだなこの人」と思って慌ててしまい、そんなコトバが出てしまうのかもしれません。
日常会話でも、非常によくあること
何かの情報が脳に入ってくると、その刺激を受けて、自分の中から思考が湧き上がってきます。
情報をインプットしたら、何かしらのアウトプットが起こるわけです。
これは無意識の反応でそうなります。
「老犬」という情報が入ってきたら、「死」という単語が頭の中にアウトプットされる。
これは、本人の過去の記憶と照合された結果がアウトプットされているのです。反射的な行動になります。
そこに悪意はないはずです。
でも、反射的に浮かんできたことをそのまま言葉にしていく習性は、危ういものです。
言ってはいけないことを言ってしまう可能性があるからです。
私も先日、友人が罹患している病気の話題になったとき、「この間、その病気についてあのドラマで知ったよ」と言ってしまいました。
そのドラマの中では、患者役の女優さんは亡くなったというストーリー展開だったのです。
言ってしまった後すぐにそのことに気づきました。コトバの地雷を落としてしまったことに、大後悔。
でも、謝ったら余計におかしなことになってしまいます。その時は、俳優さんの話題にすり替え、すぐに別の話題に変えました。
病気のこと、死のこと、に関しては特によく考えて対話していかなくてはならないですよね。
もっと配慮のあるコミュニケーションができる様になりたいです。
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