外国人の方から、ふいに日本語について質問されたとき、答えられないことがあります。
「は」と「が」の使い方についてが、その1つです。
主語の後にどちらの助詞をつけるべきか?
普段は無意識に使い分けていますので、どのような場合に「は」と「が」を使い分けるのか?が、説明できないんです。
<<移転しました>>
でも実は、この「は」と「が」の使い分けって、日本語学校へ通う外国人の方々は、最初のころに習うのだそうですね。
(日本人では説明できない人が多いと聞いたのですが、もしかしたら私だけでしょうか!?)汗
つい先日、井上ひさしさんの著書の中で、「は」と「が」の使いわけについて初めて知ったばかりのわたくしです...
例えば、『桃太郎』のお話。
「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」
「が」が使われています。
そして次の2行目にいくと....
「おじいさんは、山へ芝刈りに、おばあさんは、川へ洗濯に行きました」
二行目は「は」が使われています。
1行目を「が」に、2行目を「は」にして、逆に使うのは変ですよね?
「これは、どうしてなんだ?」と外国人に質問されても、なんで変なのか?難しくて答えられず、「うーん...」と、唸ってしまうのです。
「は」と「が」の簡単な使い分けルール
岩波の古語辞典をつくった、国語文学者である大野晋先生によると、使い分けのルールはこうです....
「が」⇨ まだわからない(未知の)ことにつける。
「は」⇨ もう(すでに)明らかになったことにつける。
1行目におじいさんとおばあさんが出てきた時は、読者にとってまだ未知の人たち。だから「が」を使ったのですね。
2行目では、すでに話題にのぼったおじいさんおばあさんのことなので、「は」をつけています。
「骨折」と「骨を折る」は、どう違うの?
昔、中国へ行ったときホテルのチェックインをしてくれた従業員の人から、「ちょっと聞きたいことがある、重要な事で、どうしても聞きたい」と言われたことがあります。
男性だったので、ちょっと警戒しましたが「7時にロビーのソファーで待ってるから、質問は1つだからすぐ終わるのでお願い」と、真剣に頼まれてしまったので、受けることにしました。
その中国人からの質問は、これでした。
『骨折』と『骨を折る』って、どう違うのか?
その時は、「 “骨折” は怪我をして骨が壊れたとき、"骨を折る" は一生懸命に頑張って何かをやったとき、に比喩的に使うよ」と答えました。
だけど彼はそれに対して、「怪我をした時にも “骨を折った” と言った日本人がいたから、わからなくなってしまった」のだ、と言っておりました。
確かに!そうとも言いますよね。
辞書によると、
【骨を折る】→「 労苦をいとわず、精を出して仕事に励む。面倒がらないで努力する。苦心して人の世話をする。
と書いてありました。
骨折したことを告げるときに「骨を折っちゃった」と言う人もいますので、意味的にどっちなのか?を判断するには、前後の文脈から察するしかないですね。
他になにか、ベターな説明方法はありますか?
これから日本語について説明する機会が増えそう
2019年の4月から、外国人労働者を積極的に受け入れ開始するそうです。
少子高齢化による人手不足に向き合い、日本政府は裏口ではなく正面から就労資格を設けて外国人労働者を受け入れる姿勢を示しました。
2025年までに、50万人以上の外国人労働者の受け入れを想定している、とのこと。
今後はさらに、外国人から「日本語の使い方についての質問」を投げかけられる機会が増えそうな予感です。
四文字熟語とか得意ではないし、「は」と「が」の使い方の説明もできなかったし、もうちょっと日本語の勉強もしなきゃな〜と、考えていました。
あなたも日本語について、外国の方から聞かれたことがありますか!?
日本語を学んでいる外国人たちは、どんな疑問を持っているのかな?もっと知りたいです。